「トップではこう、切り返しではこう……」 スイング中に脳をフル回転させていませんか?
実は、運動学習理論(エコロジカル・アプローチ)が明かす真実は、私たちの直感とは正反対です。「脳が考えれば考えるほど、身体の動きは不自然になる」のです。
1. 「除脳猫」が教えてくれること
かつて行われた有名な実験があります。脳と脊髄を切り離し、大脳からの司令を遮断した猫(除脳猫)をトレッドミルの上に置くと、どうなったか。
※今では倫理的に行うことができないでしょう。。。
驚くべきことに、その猫はベルトの速度に合わせて完璧に歩行し、さらには走る動作まで見せたのです。
これは、複雑な動きのパターンは「脳が一つひとつ命令している」のではなく、「身体のシステム自体に組み込まれている(または環境との関係で勝手に生まれる)」ということを証明しています。スイングも同じです。脳が「形」を命令しなくても、身体は正解を知っているのです。
2. 命令を捨て、「環境」に委ねる
ゴルフにおいても、大脳で「右脇を締める」「手首を掌屈させる」と司令を出すことは、猫の歩行を脳でコントロールしようとするのと同じくらい、不自然で非効率なことです。
私が「エコロジカル・アプローチ」を推奨するのは、脳に頼らず、身体の「自動制御システム」を呼び起こすためです。
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教わるゴルフ:脳に形を叩き込み、ロボットのように動かそうとする。
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見つけるゴルフ:適切な「制約(ドリルや道具)」を与え、身体に正解を「探索」させる。
3. 「勝手にそうなる」状態こそが最強
第2部からお伝えしてきた「Max Sway(発電)」や「リードリスト(手首)」の動きも、最終的にはこの「無意識」の領域に落とし込む必要があります。
除脳猫がベルトの速度に合わせて歩き方を変えたように、あなたも適切な練習環境の中に身を置けば、脳が頑張らなくても、スイングは力学的な最適解へと勝手に書き換わっていきます。
結び.脳のスイッチを切る勇気を
「考えて打つ」段階にいるうちは、まだ飛距離のポテンシャルは眠ったままです。 脳による支配を解き、あなたの身体が本来持っている「動物的な加速力」を信じてみませんか?