【台中レポート②】握り方は、一度覚えて終わりではない

こんにちは、中上級者向け飛距離アップ専門コーチ ぶっ飛び力学研究所の山崎壱鉱です。
台湾の台中で受けた「米国長打マスター講座」で学んだことを、3回に分けて書いています。
講師は "Fast" Eddie Fernandes。世界長打選手権を3度制した選手です。
前回は足の裏の話でした。講座の結論は、スイングの基礎は足の裏とグリップの2箇所である、というものです。身体が外の世界と触れているのはこの2箇所しかないので、ここが力の出入り口になります。
今回は、もうひとつの接点であるグリップの話です。
良いゴルフは、良いグリップから始まる
講座では、ベン・ホーガンの言葉が引かれていました。
良いゴルフは、良いグリップから始まる。
具体的な内容は、次の2点です。
- 左手は手のひらではなく、指で握る。クラブは手のひらの真ん中ではなく、指の付け根に斜めに乗せる
- 右手は中指と薬指が握力を主導する。この2本が握圧の大部分を担う
右手の握りについて、ホーガンは「フィンガーグリップ」という言い方をしていました。手のひら全体で強く握るのではなく、中の2本の指が主導する。この形が、安定した効率の良いコントロールをつくると説明されています。
史上最も偉大な11人の共通点
資料には、歴代の名選手11人のグリップ写真が並んでいました。ニクラス、ウッズ、ホーガン、ボビー・ジョーンズ、スネッド、パーマー、サラゼン、プレーヤー、ワトソン、シェフラー、マキロイ。
全員に共通していたのは、ニュートラルグリップであることです。
- アドレスで、左手のナックルが2〜2.5個見える
- 右手のひらの生命線が、左手の親指の上に位置する
- 両手の親指と人差し指が作るV字が、どちらも同じ方向を指す。指す先は、右肩と顎の間
この形が何のためにあるのか。資料の説明はこうでした。
インパクトで意図的に操作したり、無理にクラブを返したりしなくても、クラブが自然にリリースできるようにするため。
握り方を直す目的は、握り方そのものではありません。手先の操作を要らなくするためです。
世界1位が、毎日やっていること
講座で紹介されていたエピソードです。
トレーニンググリップという道具があります。指の置き場所が形になっていて、握るだけで正しい形になる。初心者が最初に正しい握りを覚えるための道具、という印象を持たれている方が多いと思います。
エディさんは、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーのキャディに直接聞いています。シェフラーはこれをどのくらいの頻度で使っているのか、と。
答えは「毎日」でした。
正しい握りは、一度覚えて終わるものではないということだと思います。世界の1位が毎日確認しているものを、私たちが一度で済ませられるはずがありません。
握力について
グリップに関連して、握力の話も出ました。
握力が上がると何が起きるのか。資料では4つ挙げられていました。
- 力の伝達——身体が生んだ力を無駄なくクラブへ伝える
- インパクトの安定——ミート率の向上に寄与する
- 蓄えとリリースの制御——早すぎるリリースを防ぐ
- 怪我への耐性——腱を守り、速く振る練習の質を保つ
握力そのものを鍛える方法として挙がっていたのは、次のようなものです。
- 懸垂バーにぶら下がる——身体を揺らさず30〜60秒。握力を測るのにも、鍛えるのにも有効
- 重い物を持って歩く——ダンベルやケトルベルを両手に持ち、体幹を締めて30〜40ヤード
- プレートを指で挟んで保持する——30〜60秒
- タオル懸垂——タオルを懸垂バーにかけ、両端を握って懸垂する
特別な器具はほとんど要りません。ぶら下がれる場所と、重い物があれば足ります。
資料には年齢別・男女別の握力の基準値表も載っていました。自分の数字がどのあたりなのかを知りたい方は、レッスンのときに聞いてください。
次回
次回が最終回です。速く振ることと、身体を壊さないこと。この講座でいちばん重く受け取った話を書きます。
