【番外編】台中、3泊4日の話

こんにちは、中上級者向け飛距離アップ専門コーチ ぶっ飛び力学研究所の山崎壱鉱です。
台湾の台中へ、3泊4日で行ってきました。
今回の目的は、飛距離を競うドラコンの世界大会で、シニア部門を3度制した「ファスト・エディ」こと、エディ・フェルナンデス本人から学ぶことです。
世界タイトルを獲得したのは、2018年・2022年・2024年。本人の公式プロフィールには、53歳で465ヤードを記録した実績も載っています。50代になっても世界の舞台で飛距離を競い、結果を出してきた選手なんです。
私が知りたかったのは、その飛距離を生む身体の使い方です。普段のレッスンでも伝えている地面反力を、本人はどんな動きで使っているのか。そして、その感覚をどう説明するのか。世界で結果を出した本人の動きと言葉を、自分の目と耳で確かめたい。それが、台湾まで足を運んだ理由でした。
実績の出典:Fast Eddie 公式プロフィール。465ヤードは大会での記録で、平均飛距離やキャリーの数値ではありません。
講座で学んだことは全3回のレポートにまとめています。今回は番外編として、講座の合間に歩いた街や食べたもの、現地で出会った人たちの話をお届けします。
台中では、夜市で食べ歩きをしたり、古い建物を使ったお店を訪ねたりしました。そのひとつが、宮原眼科という洋菓子店です。
ここでクッキーをひとつ買おうとしたら、4つで1セットの商品だったそうで、単品では買えませんでした。知らずに、ひとつだけレジへ持っていってしまったんですね。
そうか、と引き下がろうとしたら、店の方から続きがありました。
「これ、あげる」
買えなかったはずなのに、もらってしまいました。
講座の内容と一緒に覚えているのが、こんなクッキーひとつのやり取りだったりする。3泊4日の台中は、そういう旅でした。
荷物はカバンひとつ。最初の台湾は、ピーナツバター味
出発は8月21日、金曜日。名古屋から昼過ぎの便に乗って、約3時間。夕方には台湾に着いていました。
機内に持ち込んだカバンはひとつ。iPadは入れて、パソコンは置いていきました。今回は、教える側から学ぶ側へ。本人の話を聞いて、動きを見て、メモを取るための荷物です。
空港を出てすぐ食べたのが、あんまきでした。形は日本でも見慣れたものなのに、味の選択肢にピーナツバターがある。
見慣れた形から、いつもと違う味がする。私が「台湾に来たな」と思ったのは、まずこの瞬間でした。
ホテルはきれいで、対応も親切。翌日は街を歩き、日曜日が講座。到着してから、少しずつ旅が始まっていきました。
「眼科」に入ったら、ハリーポッターの世界だった
冒頭のクッキーをもらったお店は、宮原眼科です。
名前だけ聞くと病院ですが、今は洋菓子店。昔の眼科の建物をリノベーションした場所なんです。中に入ると、木の吹き抜けに、本棚のような壁。お菓子を買いに来たのに、まず建物を見上げてしまいます。
ハリーポッターの世界みたい、というのがいちばん近いです。
金色の棚にはガラスの器。別の一角には赤い壁と、鍵のような飾り。同じ店の中でも、見る場所を変えると雰囲気が変わります。
商品だけでなく、パッケージも凝っていました。お土産を選ぶつもりで入ったのに、店そのものが見どころになっています。
そこで起きたのが、クッキーの一件でした。
4つで1セットなのに、ひとつだけ持っていった私。「これは売れない」のあとに「これ、あげる」が続くとは思いませんでした。
お店の方には、ほんの小さな出来事だったかもしれません。でも、こうして帰ってきて書いているくらい、私には残っています。立派な建物の記憶と、クッキーをもらった記憶が、セットになりました。
古い建物を眺めていたら、夜は食べ歩きになった
宮原眼科だけでなく、銀行だった建物がカフェになっていたり。台中を歩くと、昔の建物が今も別の役目で使われている場所に出会います。
外側には昔の面影があって、中では今の人がお茶を飲んだり、お菓子を買ったりしている。そういう街は、歩いていて面白いですね。
夜は夜市へ。大きな唐揚げ、人形焼、タピオカ。食べ歩いて、ゲームセンターにも寄りました。
私の印象では、食べ物と同じくらい、いや、それ以上に飲み物のお店が目につきました。
そして、今回の旅でいちばんうまかったものを聞かれたら、答えは決まっています。
タピオカミルクティーです。
大きな唐揚げも食べたのに、最後に出てくる答えが飲み物。台中での私の食べ歩きは、そういう結果になりました。
言葉が不安だったのに、いつもより集中していた
8月23日、日曜日。ホテルで朝からルーローハンを食べて、いよいよエディさんの講座へ。
実は、行く前にいちばん不安だったのは言葉でした。日本語の通訳さんはついてくださっていましたが、私はほとんどGoogle翻訳を見ながら聞いていました。
ところが、受けているうちに気づいたんです。いつもより集中している。
言葉だけで全部を受け取れないから、手の動きも見る。間の取り方も見る。どこで声が大きくなったかにも注意が向く。
日本語だったら、分かったつもりで流していたところがあったかもしれません。今回は、そう簡単には流せない。聞き取れない分まで、目で拾おうとしていました。
同じ「地面反力」という言葉でも、本人は身体のどこを、どんなふうに使っているのか。レッスンで伝えてきたことと照らし合わせながら見ると、メモしておきたいことが増えていきます。知っている言葉ほど、もう一度、実際の動きで確かめたい。そのために来た時間でした。
言葉の不安がなくなったわけではありません。でも、不安だったことが、思いがけず集中につながった。これは現地に行ってみるまで分からなかったことです。
タクシーを降りるとき、LINEを交換していた
台中での移動は、タクシーを利用していました。その運転手さんのひとりが、日本のことを褒めてくれたんです。
おじいさんは、日本人の先生に教わっていた。ユリの栽培を教えてくれたのも日本人だった。そんな話をしてくれました。
旅先で日本の話になることはあっても、相手の家族の話まで聞けるとは思っていませんでした。
短い乗車時間です。それでも、降りるときにはLINEを交換していました。
目的地まで乗せてもらうだけのはずだったタクシーで、こういうつながりができる。講座の予定表には載っていないけれど、これも今回の旅の出来事です。
持ち帰ったのは、講座のメモと、こういう話
8月24日、月曜日に帰国。正直、とにかく疲れました。
それでも、地面反力について本人に確認するという目的は果たせました。iPadを入れたカバンひとつで出かけた3泊4日には、講座以外にもいろいろなことがありました。
ピーナツバター味のあんまき。買えなかったのにもらったクッキー。今回いちばんうまかったタピオカミルクティー。そして、タクシーの運転手さんとのLINE交換。
講座で確かめた足の裏の使い方やグリップの話は、持ち帰ってから、まず自分でも試します。そのうえで、いつものレッスンでどう伝えるかを考える。現地で聞いた一言を、お客様が身体で分かる説明にできたら、台湾まで来た意味がもうひとつ増えると思っています。
そんな仕事のメモと一緒に、街での出来事も残りました。
次に台中の話をするときも、私はたぶん、あのクッキーの話をすると思います。
